配偶者控除対象者とは納税者と生計を一にする配偶者で合計所得金額が38万円以下の者をいいます。
もしも、何らかの理由で労働時間を調整できずに、いわゆる103万円の壁を越えてしまった場合、まったく控除を受けることができないのでしょうか?
この点、配偶者特別控除(所得税法第83条の2)が定められています。言葉は似ていますが、異なるものです。
居住者の合計所得金額が1,000万円以下であり、生計を一にする配偶者を有するなど以下の①~⑦の要件を満たす場合には、一定の金額を配偶者特別控除としてその者の課税標準から控除できます。
【要件】
①居住者と生計を一にすること
②青色事業専従者で事業から給与の支払いを受けていないこと
③事業専従者に該当しないこと
④その年の合計所得金額が76万円未満であること
⑤控除対象配偶者ではないこと
⑥配偶者自身が配偶者特別控除の対象となっていないこと
⑦ほかの居住者の扶養親族に該当しないこと
具体的には次の表により控除額が定められています。
配偶者の合計所得金額 | 控除額 |
38万円超 40万円未満 | 380,000円 |
40万円以上 45万円未満 | 360,000円 |
45万円以上 50万円未満 | 310,000円 |
50万円以上 55万円未満 | 260,000円 |
55万円以上 60万円未満 | 210,000円 |
60万円以上 65万円未満 | 160,000円 |
65万円以上 70万円未満 | 110,000円 |
70万円以上 75万円未満 | 60,000円 |
75万円以上 76万円未満 | 30,000円 |
段階的に控除額が変わっていきます。
このような配偶者特別控除もありますので、103万円の壁に固執しすぎることがないようにしましょう。
一方、今後、配偶者控除も見直しがされるような機運も高まっていますし、注意が必要です。