平成29年4月14日に衆議院で可決され、現在参議院で審議中となっている民法の大改正。
明治29年に作られた法律がやっとこの平成29年に大きく改正されることとなりました。約120年ぶりの大改正といわれています。
現民法は明治時代にフランスやドイツの法律に基づたものであると聞いたことがあります。月日の経過と共に歪みが大きくなり、その後の変化は特別法で制限するなどされてきましたが、当時とは全く異なる世の中である現代社会において、とうとう改正に踏み切ったのでしょうか。相当前から現代の民法学者の方々は議論を尽くしてきたのでしょう。悲願といえるのかもしれませんね。

主な改定は、
・連帯保証制度→第三者が個人で保証人になる場合、公証人による自発的な意思の確認を必要とする。リスクを十分に認識せずに保証人になって、自己破産に追い込まれる例が多々あるため
・法定利率の引き下げ→現在は年5%に固定されている利率を低金利時代の実勢に合わせ3%に引き下げる。さらに3年ごとに見直す変動制を導入する。
・インターネット通販など不特定多数の消費者に示す「約款」に関しては、一方的に利益を害すると認められた内容は無効になると定め、消費者保護を打ち出す。
・ツケなどの支払い時効は変える。飲食代は1年、医師の診療報酬は3年など業種ごとに異なる「短期消滅時効」をやめ、新たに「権利が行使できると知ったときから5年」を原則とする。
・判例によってすでに定着しているルールを取り入れ、重度の認知症など判断能力がない人の法律行為は無効であると明記し、賃貸住宅の敷金返還のルールも加えている。

公布から3年以内に施行されるとされていますので、施行は平成31年か32年でしょうか(その頃には平成ではなくなっていますけど)。
現在の民法が第1044条まであるのに対して約2000条になるとされています。
これから民法を学ぼうとする方々は益々大変になりますね。
生活に密着する重要な法律ですから、私も知識のアップデートに努めていきたいと考えています。